今回のあましんさん
大西 玲奈さん(神戸東支店 2021年入庫)
ぶらり御影
瀟洒な住宅街が建ち並ぶ御影界隈。
よく考えてみれば疑問符のつく地名だが、
同地の泉に神功皇后が姿を映した――
そんな故事に由来しているらしい。
古来、人々が暮らす地の現在へ旅立とう。
御影には2つの御影駅があります。
阪急と阪神がそれらにあたり、
間に挟まれるようにJR住吉駅が。
町の集積から瀬戸内海を挟めば、
六甲アイランドも目の前です。
今回はこれらのエリアを訪ねます。
※掲載している情報は2026年2月現在のものです。営業時間・料金等が変更になる場合があります。
01SHIUN CRAFT WORKS
- 神戸市東灘区御影本町7-4-3
- 078-822-9085
- 10:00~19:00
- 月曜・第一日曜休
いまも現役のライダーとしてレースに出場する松村さん。昨年、アメリカ・ユタ州で開催されたスピードを競うレースでは303キロを叩き出し、自らの腕前を証明してみせた。
“ハーレー=乗りにくい”
そんなイメージに終止符を
メカニック歴35年超のベテランの手にかかるハーレーは「乗りにくい」「すぐ壊れる」といった先入観とは別格の仕上がりだ。店が特に力を入れるのが、映画「イージー・ライダー」でもおなじみのモデル・チョッパー。古いものでは1940年代に生産されたベース車をアメリカから独自ルートで仕入れ、エンジンまですべてバラしてオーバーホールして、乗り心地と操作性のよさを両立させる。代表取締役の松村友章さんは、カスタムが前提のハーレーについて「自由の象徴じゃないですか」。店を頼って訪れるライダーたちに、自由を届け続ける。
02すし懐石 大蔵白仙
- 神戸市東灘区御影山手1-2-10
御影ガーデンシティ2F - 078-842-0070(要予約)
- 11:30 ~ 14:00LO
17:00~20:00 - 水曜休
支度に時間を要するため、基本的には料理の予約必須。そのことがむしろ、山本さんの経験や発想からしか生まれない味わいを堪能する、究極の調味料になるのかもしれない。
和食のアイデアを凝らした
よそではできない寿司体験
東京の料亭で長らく腕を磨いてきたのは、大将・山本順也さん。炙りたてフォアグラサーモン、蒸したてねぎ塩うなぎを二枚看板に根強い人気を集める店だが、意外にも山本さん自身、寿司に限っては独学なのだという。それでも和食の基本は惜しげもなく投入。シャリに蜂蜜を加えるひとひねりも心憎い。また、東京・豊洲から仕入れを続けるのも、そこが一級品ばかりが集まる場所と心得ているからだ。そうすると「おのずと芯の通ったものができるんです」。謙虚な語り口のなかにも、30年間この地で商売を続けてきた職人の矜持が感じ取れた。
03TOP WATER TACKLE,s
- 神戸市東灘区向洋町中6-9
神戸ファッションマート 3F - 078-862-3182
- 10:00~18:00
- 水曜休
「どれだけ装備をして臨んでも、釣れないなんて当たり前。
だからこそ、カジキが当たったときの興奮、感動はすごいですね。恐ろしいほどの引きですから」と、青沼泰則専務。
大物釣りの奥深さを伝える
国内最大級のショールーム
カジキやマグロといった大型魚を狙う、いわゆる「ビッグゲーム」に特化した国内でも最大級のショールーム。釣竿やルアーはもちろんのこと、ボート、ボートシート、さらには魚群探知機に至るまでを目の前で確かめられる稀有な場所だ。スタッフの専門知識も豊富で、予算の都合さえつけば当然その場で購入もできる。さらにTOP WATER TACKLE,sでは、幅広い人に大物釣りの楽しさを味わってもらおうと、自社ボートを活用してクエやカンパチを狙う体験ツアーも企画中。ハードルが高く感じられる趣味にハマるきっかけになるかも?
04レストラン&ティー
瑠美
- 神戸市東灘区御影中町3-1-18
- 078-854-0194
- 11:00~15:00
- 17:30~21:00(20:30LO)
- 月曜休・火曜不定休(祝日の場合は営業)
早瀬さんが独立して最初に店を出したのは1984年のこと。
ところが、震災のために建物が全壊し、ガスの供給も止まるなか現在の地で再起を図った。荒波を乗り越え、いまがある。
素材の持ち味を引き出した
真心と愛情のこもった洋食
震災の年の秋に阪神御影駅のほど近くにオープン以来、根強いリピーターを集める洋食店。オーナーシェフの早瀬芳美さんはオリエンタルホテルで腕を磨いた経歴の持ち主で、豚は鹿児島、鶏は淡路島と素材にこだわった料理で客をもてなす。さらにあらゆる料理のベースになるスープ、ソース、ドレッシングに至るまでが手作り。ここでしか噛み締められない味を実現している。「キッチンもホールも、真心と愛情を込めてきちんと仕事をする。これが基本です」。早瀬さんの語りには、瑠美という空間を客とともにつくり上げてきた実感がこもっていた。
05笑顔の米屋 いづよね
- 神戸市灘区記田町2-3-18
- 078-821-2502
- 10:00~18:00
(12:30 ~13:30 は休憩) - 水曜・木曜休
「自慢したい社員はいっぱいいる」と、誰よりも社員思いな川崎さん。まずは社員に農家のファンになってもらおうと、遠方の生産地を訪ねての研修なども欠かしていない。
生産者も消費者も社員も!
三方よしを地で行く米穀店
1889年(明治22)の創業以来、灘っ子の胃袋を支えてきた。代表取締役の川崎恭雄さんは、自らの代になって生産地と消費者をつなぐ役割を強く意識するように。顧客からの評判を色紙に貼って生産地に持っていき、そこで感じ取った農家の心意気を寄席小屋風の店内いっぱいに表現してみせた。社員のお米愛もすごい。日本全国に400名ほどのお米マイスターの資格保有者が4名も在籍しているのだ。北は北海道、南が石垣島まで70を超える銘柄を素人が吟味するのはそう簡単ではない。店には常に笑顔あふれる相談が沸き起こっていた。
06器の店 五良大甫
- 神戸市東灘区住吉本町1-4-5
- 090-3822-5544
- 10:30~17:00
- 金曜・土曜・日曜・祝日休
幼少期から美術に親しみ、高校時代には陶芸の道に入っていたのは、代表取締役社長の小河敬一郎さん。その喜びを「自分の器が食卓に並ぶときが一番ですね」と語ってくれた。
早熟な美術少年がつくった
土に親しむ出会いの秘密基地
江戸時代初期に活躍した、中国出身の陶器商人の名を冠する陶器の専門店。1階は安価なものから50名以上を擁する「作家モノ」まで、色も形も用途もさまざまな陶器がずらり。2階と3階では月額5000円(粘土は1キロあたり1000円)の陶芸教室が営まれており、現役を退いたシニア世代の学びと憩いの場として活用されている。近年は金継ぎの実習も始め、付き合いのある飲食店から引き取った器を蘇らせることも。作家の名品や一流の料理店で使われていた器が身近にある環境は、自分の作品を形にするうえで少なからぬ刺激になるだろう。
シュッとした印象のあった御影。
しかし、そこで出会った人々は、
誰もがフレンドリーでお茶目。
街の素顔を見た気がしました。
少し気持ちが豊かになったのは、
気のせいではないはずです。

