

今回のあましんさん
和瀬田 宏太さん(阪神西宮支店 2008年入庫)
ぶらり阪神西宮
阪神西宮駅の界隈を表現するならば、
これらに触れないわけにはいかないだろう。
とはいえ、それだけでは語りきれない、
現在進行形の“宮っ子”の活気があるはず。
出会いという“福”を求め、街を歩いた。
日本全国のえべっさんの総本社、
西宮神社からほど近い阪神西宮駅。
酒づくりに適した宮水が見つかり、
大いに繁栄を極めた一帯からは、
JRや阪急の沿線とはまた異なる
歴史深い雰囲気が感じられます。
西宮の発展を支えた街へ、いざ。
※掲載している情報は2025年10月現在のものです。営業時間・料金等が変更になる場合があります。


01陳餐閣

- 西宮市戸田町4-10 2F
- 0798-35-7575
- 11:00〜14:30(14:00LO)
- 17:00〜21:30(21:00LO)
- 無休
かつての勤務先だったホテルの命を受け、日本式の中華料理や和食を学ぶための研修として西宮の土を踏んだ陳さん。結果として独立した今では、もはや立派な「宮っ子」だ。
“特級厨師”の技巧の数々が
リーズナブルに楽しめる
中国の一流ホテルで腕を振るい、1997年に来日した陳金涛さんがオープンさせた上海料理店。若くして中国の国家資格である特級厨師を取得した実力派の味が楽しめる。小籠包、フカヒレスープなど10品で構成される如意コース4500円をはじめ、昼夜を問わずさまざまなコースを用意。あっさりとした上海料理の特徴はそのままに、日本人向けのアレンジを加えたメニューの数々はボリュームも目を見張るものがある。まかないから生まれたオリジナルの逸品・ラーズー麺1280円も隠れた人気。ふわりと広がるシンプルながら奥深い風味に、上海の香りを感じよう。



02谷矢製餡


- 西宮市本町8-1
- 0798-22-4328
- 9:00〜17:00(月曜〜金曜)
- 9:00〜12:00(土曜・祝日)
- 日曜休
多い日で1日あたり5000個を焼き上げるという戎金鍔。もっちりと分厚い衣をまとった逸品は、あんこのおいしさを感じられるだけでなくしっかりとした食べ応えもある。
伝統的な製法から生まれる
西宮が誇るローカルみやげ
終戦の年に製餡業として開業し、長らくパンやお菓子に使われるあんこをOEM製造してきたのは、谷矢製餡。およそ30年ほど前、4代目で現会長の清水勝巳さんが「自分たちのお菓子を作ろう」と号令をかけて完成したのが、工場兼店舗のすぐ近くに鎮座する西宮神社にあやかった「きんつば」だ。北海道産の高級小豆・えりも小豆だけを用い、添加物を一切加えない伝統的な技法で炊き上げられた、あんこの味覚がダイレクトに伝わる戎金鍔は十日戎のおみやげとしてすっかり定着。定番の粒のほか秋からの時期は栗と芋も加わり、来る人を飽きさせない。



03寿し処 内海



- 西宮市中前田町9-14
- 0798-22-0145
- 11:00〜14:00(13:30LO)
- 17:00〜22:00(21:30LO)
- 無休
カウンターにテーブル、座敷席と、広々とした店内はニーズに合わせて使いやすいのがポイント。市内をくまなくカバーする出前や持ち帰りも歓迎で、使い勝手のよさが際立つ。
市場仕込みの目利きで魅せる
確かな寿司を手軽にどうぞ
大阪府中央卸売市場の水産会社が営む寿司店。魚のプロが目利きしたネタは常時約60種類揃い、冷蔵ケースにずらりと並ぶさまは圧巻のひと言だ。四季折々のネタを受け止めるシャリも、市場の米穀店から時々に合わせて寿司に適した銘柄を取り寄せる。キャリア40年超のベテラン職人の卓越した仕事ぶりが光るにもかかわらず、2貫180円〜と手頃な価格設定もうれしい。ちなみにランチなら、日替わりの7貫に赤だしのつくにぎり定食990円がおすすめ。夜には十四代、而今といった入手困難な日本酒を傾けながら、寿司をつまむのも幸福な時間になる。


04EMA CREATE SHOES


- 西宮市戸田町3-6
- 0798-35-7633
- 11:00〜18:00
- 不定休
販売員を経て、企画デザイン、製造管理、貿易など靴に関わるあらゆる仕事に従事してきた斉藤さん。一足一足に思いを込めるその姿には、クラフトマンシップがにじんでいた。
国産素材だけで形づくる
西宮発“クラフトシューズ”
スニーカーとパンプスを中心に、ここでしか手に入らないオリジナルのハンドメイドシューズを扱うアトリエ。大量生産のものとの大きな違いは、薄手で柔らかい国産革を使っているがゆえの足なじみのよさだ。さらにインソールは高反発のものを採用し、長時間歩いても疲れにくいことも特長となっている。豊富なカラーバリエーションも手伝って、EMAのオーダー品で足回りを揃える人も少なくないんだとか。代表取締役社長の斉藤慎二さんはそうした期待に応えるべく新製品の開発に力を入れつつ、全国でのポップアップや海外展開にも目を向けている。



05だしの店 つみ木



- 西宮市馬場町6-20
- 0798-22-0072
- 11:00〜14:00
- 17:00〜22:00
- 水曜休(不定休あり)
酒どころの西宮郷に構える店だけあって、地元の日本酒のラインアップも充実。菊正宗、白鹿、白鷹、日本盛、大関など、代表取締役の金山栄秀さんが自ら選んだ酒を楽しめる。
自慢のだしを使った名物は
えべっさんの参拝客にも人気
19歳から地道にキャリアを積んできた料理人が、和食に欠くことのできないだしを前面に押し出し、西宮神社の門前にオープンさせた店。すべての料理の基本となるだしは、枕崎産のカツオと道南産の昆布を惜しみなく用いたもので、塩味に頼らずとも素材の特性を引き立たせる。焼き魚か天ぷら、刺身、小鉢からなるえびす御膳2420円など魅力的なメニューが目白押しだが、来店客のほとんどが注文するというのが料理屋のだし巻き880円。厳選した卵に風味豊かなだしを目一杯含ませたほぐれる食感は、よそではなかなかお目にかかれないはずだ。


06FROMA
“西宮ブランド”が三宮で人気!


- 神戸市中央区御幸通 8-1-6
- 神戸国際会館SOL B2F
- 078-200-6480
- 11:00〜21:00(20:00LO)
- 施設に準ずる
国内外でもそうそう例のないチーズビュッフェは、ランチセットに1500円追加で注文可能。ケーキセットは1210円〜で、チーズを使ったケーキから好みのものを選べる。
“食=エンタメ”を実感できる
多種多様なチーズとの出会い
西宮で産声を上げたカフェやクレープ専門店の運営会社が手がける、チーズとイタリアンの店。三宮の一等地に構えながらお忍び感のある店は100坪もの広さで、ゆったりと過ごせること請け合いだ。女性を中心にランチをオーダーすると楽しめるチーズビュッフェ。モッツァレラ、カマンベールなどはもちろん、マロン風味のクリームチーズなど、なんと約10種類のチーズを思うままに味わえる。代表取締役の板倉洋輔さんによれば「食は一番身近なエンタメ」。西宮にルーツを持つ店での出会いは、日常的な食生活をより豊かにしてくれそうな予感がした。



西宮神社のお膝元では、
“宮っ子”たちがそれぞれに、
志を形にしようと動いていました。
福男さながらに駆け抜けたけれど、
今度はもう少しゆっくり歩こう。
まだ知らない“福”があるだろうから。