

今回のあましんさん
松藤 陸さん(潮江支店 渉外係 2020年入庫)
ぶらりJR尼崎
尾浜支店編
高層マンションが立ち並ぶ一帯は、
都心へのアクセスのよさも手伝って、
“住みたい街”と称されるようにもなった。
今回、ハイライトを当てるのはJR尼崎。
街を歩いて、その現在地に迫ってみた。
複合商業施設があるかと思えば、
ファミリー向けの高層マンション。
神戸線、東西線、
さらには宝塚線と、
3路線が乗り入れるJR尼崎駅は、
世代によりその印象を異にする。
“工都”の玄関口をのぞいてみれば、
あるキーワードが浮かんできました。
※掲載している情報は2025年2月現在のものです。営業時間・料金等が変更になる場合があります。

01Fratelli IT



- 尼崎市潮江1-29-16
- 06-6499-3485
- 11:00 ~ 19:00(平日)
- 10:00 ~ 18:00(土日祝)
- 木曜休
店の入る建物では、もともと糸田川さんの父兄弟がそれぞれ薬局と歯科を営んでいた。イタリア語で「兄弟」を指す「Fratelli」を店名に冠したのも、リスペクトゆえだ。
つながりと対話が生み出す
アウトドアの新たな可能性
一帯でも珍しい個人経営のアウトドアショップには、大手が扱わないアイテムがずらり。なかでも鉄工所や木工所が独自に興した「ガレージブランド」に強みがあり、近隣のものづくりの現場で作り出された商品も目立つ。店主の糸田川達三さんによれば「じっくり話をして買い物をするお客さんが多い」とのこと。客を伴ってキャンプに出かけることもあるといい、現場のニーズが中小メーカーの側に伝えられることも少なくない。六甲や淀川といったフィールドにも近い尼崎で生まれたつながりは、アウトドアの楽しさをより奥深くする。


02CAFE ROOTS



- 尼崎市次屋1-19-6
- 06-6423-7449
- 8:00 ~ 18:30(平日)
- 8:00 ~ 17:00(土曜)
- 日曜・祝日休
地元、尼崎でカフェを開くのが夢だった夕雲さん。色んな人が気軽に立ち寄ることが出来てくつろげる場所を目指したい。
姉妹で営むカフェが目指す
地域に求められる店づくり
老舗の喫茶店をリノベーションし、2024年にオープンしたカフェ。店主の夕雲さんの前職がインテリア関係だったこともあり、純喫茶の雰囲気は残しつつも家具や調度品はシックにまとめられ、落ち着ける空間が広がっている。ナポリタン、カレーライスなど「ザ・喫茶店」なメニューが並ぶのはもちろん、おすすめは平日限定の日替わりランチ。料理が大好きな妹の弥実さんの手により、鶏の唐揚げ、煮込みハンバーグ、豚のしょうが焼きなど多彩なメニューが連日登場し、早くも常連を惹きつける。笑顔の接客もまた、人気の隠し味なのだろう。


こんなにあります
アマ和食
03酒肴旬菜 折尾



- 尼崎市潮江2-14-17
- 06-6498-8484
- 18:00 ~ 22:00
- 日曜・祝日休
九州の食の魅力を尼崎で
ゆったりと憩える大衆割烹
長崎産の鮮魚に旬の野菜を掛け合わせた、肩肘張らない気軽な割烹。店主の折尾輝見さんは父が鹿児島、母が長崎の出身で、自らのルーツである九州への思いは並大抵のものではない。特に自信があるという魚の煮付けには、甘みの利いた九州醤油を使用。焼酎も長崎や鹿児島のものを吟味して提供する。和食の奥深さについて、折尾さんは「難しいからこそおもしろいんです」ときっぱり。客との会話からアイデアをもらうことも多いそうで、常に正解のない問いに答えを出すべく、キャリア40年の腕前におごることなくアップデートに努め続ける。



04和食いまにし



- 尼崎市名神町3-5-12
- 06-6428-2061
- 11:00~13:30LO
- (ディナーは4名~要予約、コースのみ)
- 日曜・祝日休
父から引き継いだ店を改め飽きの来ない季節の和食を
2023年、日本料理店で長らく料理長を務めた今西一さんが、50年以上営業していた父の喫茶店を改装してオープン。折々の季節感を食材で表現することが身上だ。天ぷら、サバの塩焼き、若鶏の唐揚げなどが主役を張る本日の日替わり1100円に目が行くが、お造り、八寸、炊き合わせ、天ぷらからなる三切りご膳1980円は、料理人の技巧がより深く味わえる自慢の逸品。運がよければ、今西さん自らが和歌山や日本海に出向いて釣り上げた魚を味わえることもある。常に変化のある店は、住宅街のど真ん中で確かな存在感を放っている。

05魚々屋




- 尼崎市尾浜町3-28-17
- 06-6426-1946
- 11:30~14:00
- (ディナーは予約のみ)
- (小宴会承ります)
- 日曜・祝日休
市場時代からの二人三脚で
温かみある魚料理を提供
かつて市場で鮮魚店を営んでいた中山さん夫妻が手がける魚料理専門店。のれんをくぐれば、2人の人懐っこい笑顔が迎えてくれる。豊富に揃う定食類は680円~とお値打ちながら、どれも市場仕込みの確かな包丁さばきが光る粒揃い。予約限定だが、夜にはふぐのコースや寄せ鍋も楽しめる。妻の悦子さんによれば「一般のお客さんと接するようになって、それまで無口だった主人がよく話すようになったんです」といい、常俊さんも「おしゃべりは楽しい」とまんざらでもなさそう。下町・尾浜の包容力が凝縮された空間がそこにはあった。


06岸田商事

- 尼崎市尾浜町2-4-28
- 06-6422-6854
市からのオファーを受けて完成した新たな尼崎みやげ・あまらむねはじわじわと人気を拡大中。阪神尼崎駅前のあまがさき観光案内所で入手できるので要チェックだ。
“昔ながら”を守って生まれた
キュートで新しい尼崎みやげ
サイダー、ピーチ、アップルにオレンジ―かわいらしいパステルカラーのラムネは、舌触りのよさとほろりとした口溶け、そしてすっきりとした後味が何よりの特徴だ。JR東海道本線の線路沿いにひっそりと工場を構えるのは岸田商事。1979年(昭和54)の創業から湿式製法と呼ばれる水分を多く含ませる製法に徹し、一貫した手作りにこだわってきた。聞けば、ラムネの型は先代が自ら設計し、バラエティ豊かな香料もすべて良質な特注品とのこと。目にも体にも優しい懐かしの味わいは、これからも確かな支持を将来へとつないでいくことだろう。



商いのありようは違っても、
行く先々で異口同音に語られた、
“つながる “ことの大切さ。
街は新陳代謝を繰り返しても、
変わることのない“アマ “の
エッセンスが感じられました。