今回のあましんさん
伊藤 太郎さん(支店長代理 2012年入庫)
ぶらり梅田・本町
西日本最大のターミナル・梅田。
再開発のただなかにあるキタの街は、
あるいは船場の商人文化がいまも息づく
本町あたりの“進化系”なのかもしれない。
商都の古今が詰まった一帯を南北に歩いた。
鉄道各社がターミナルを置く梅田。
言わずと知れた大阪の中心なれど、
その発展の端緒は明治と意外に浅い。
新陳代謝の著しい街がある一方で、
江戸期から商いの中心を担ったのが、本町駅を中心とする船場界隈。
対照的な2つの街へ繰り出します。
※掲載している情報は2025年1月現在のものです。営業時間・料金等が変更になる場合があります。
01bois de gui et
- 大阪市北区茶屋町10-12 NU茶屋町1F
- 06-6375-1530
- 10:00~20:00
- 無休(NU 茶屋町に準ずる)
2階アトリエではフラワーアレンジメントのレッスンを実施。
この時期はバレンタインデーに向けたデコレーション製作が人気だ。また不定期で作家の展示も開かれる。
茶屋町のパサージュを彩る
暮らしに寄り添う花の店
昨年9月にリニューアルしたばかりの生花店。多くの人が行き交うNU茶屋町の1階に位置するシックな外観に惹かれ、ふらりと立ち寄る客も多い。ブーケひとつを取っても客の要望を丹念に聞き出し、いわば「共同作業」の形で唯一無二の作品を仕上げてくれるのがウリ。冬場はチューリップ、スイートピー、ラナンキュラスなどが店先に並ぶ。代表取締役社長の宮川大作さんが「花は命を考えさせてくれる。その営みは人の人生と重ね合わせられると思います」と語るように、自分や誰かの生活を彩る花を手に取ってみてはいかがだろう。
02 Seiichiro,NISHIZONO
- 大阪市西区京町堀1-14-28
- 06-6690-8766
- 11:00~19:00
- 火曜・水曜休(不定休あり)
買い物に、グルメに感度の高い店が並ぶ靱公園近くという立地も魅力。この1月には目と鼻の先に姉妹店のカフェバー・ESlaboNもオープンし、ますます目が離せない。
想像力と創造力の両輪が
“香り”で訴えかける逸品を生む
「店のテーマは香りです」と語るのは、パティシエ歴20年超を重ねる西園誠一郎さん。味覚以上に記憶に残るという嗅覚にフォーカスを当て、シーズンごとにがらりと変わるメニューで勝負を続けてきた。これからバレンタインデーにかけての主役は、やはりチョコレート。カカオとは香りの成分がまったく異なるスパイスを合わせたり、同じく主張の強いブルーチーズとのマリアージュで魅せたりと、「香りの実験」が結実した役者が揃う。細かなヒアリングをもとに創作するオーダーケーキも人気だそう。自分だけの香りを求めて店を訪ねてみては?
03創元社
- 大阪市中央区淡路町4-3-6
- 06-6231-9010
- 9:00~17:00(書籍販売)
- 土曜・日曜・祝日休
創業から大阪に根を下ろす貴重な出版社だけあり「大阪本」も多数。代表取締役社長の矢部敬一さんによれば、大阪的ジャーナリズムの特徴は読者との距離の近さだという。
上方文化を伝える古参版元は
令和の現代もアップデート
1892年(明治25)の創業から130余年、業界の中枢が東京に移った現在も変わらず大阪で実直な商いを続ける出版社。谷崎の『春琴抄』やオダサクの『夫婦善哉』で知られる版元は、令和に入り読者との双方向的なやりとりに精を出す。ここ最近は心理、健康、歴史などのジャンルに注力し、著者によるセミナーも開催。来年度中には社屋1階にブックカフェをオープン予定だ。自らの興味関心にかたよりがちな画面上の情報から片時、目を離してみよう。西鶴のころから続く上方の出版という営みに身を委ねれば、きっと新鮮な視点が得られるはずだ。
04absinthe org.
Salad & Grill
\新旧の梅田のランドマークで
ヘルシーランチ!/KITTE大阪/SINCE 2024
- 大阪市北区梅田3-2-2 KITTE 大阪B1F
- 06-6676-8442
- 08:00 ~ 23:00(22:00LO)
- 無休
健康志向の地中海料理は
梅田のOLからの愛され度も◎
シーフードと野菜をふんだんに使う地中海料理をベースに据えたヘルスコンシャスな店が開店したのは、昨夏お目見えしたばかりのKITTE大阪の地下。店名にもあるサラダのテイクアウトが、すでに近隣OLから厚い支持を集めている。また、25種を超すお酒がラインナップされたダイニングバーとしての顔も。鉄板とグリルで焼き上げる肉料理は、ジューシーでありつつも余分な脂肪を落とした健康的な味わいで、ワインとの相性もぴったりだ。開放感あるテラス席、ゆったりした雰囲気のテーブル席とシーンによって思い思いに楽しもう。
05NO TILE NO LIFE
- 大阪市西区南堀江1-11-5 ナカムラビル9F
- 06-6531-7263
- 11:00~17:00
- 火曜休
「ゆらぎ」と名づけられたイベントルームでは、タイルを使ったワークショップを開催。木工作家が手がけたスツールやテーブルを自分好みの一点モノにアレンジできる。
500種類以上のタイルがずらり
一点モノづくりで暮らしに潤いを
卸から施工まで、この道70年以上のタイル店が手がける店。500種類を超すタイルを見て、触れて購入でき、なかにはレトロな昭和の品もある。代表取締役社長の中村祐幸さんによれば、これほどの品揃えは国内でも随一だといい、東京からわざわざ泊まりがけで訪れる客もいるらしい。もっとも、これらのタイルは工事のたびに発生していた余剰品。すでに廃業したメーカーの製品も、独自ルートで入手するようになった。本来は捨てられるはずだったものに新たな価値を吹き込み、幸せな循環を生む。小さなタイルに秘められた可能性は無限大だ。
06玄三庵 西梅田店
大阪駅前第1ビル/SINCE 1970
- 大阪市北区梅田1-3-1 大阪駅前第一ビル1F
- 06-4795-2215
- 11:30 ~ 21:00(20:30LO、平日)
- 11:30 ~ 18:00(17:30LO、土曜・祝日)
- 日曜休
39品目もの素材が目の前に!
多彩な食で健康を形づくる
玄米を中心に39品目もの食材を使った日替わり定食が人気。島根県の高地で栽培された玄米は圧力鍋で炊き上げられており、人を選ばないもっちり食感が特徴だ。一方で旬素材たっぷりのおかずは、食材本来の味を活かす味つけが鉄則で、時には洋風、中華風なども取り入れる。冬場には小鍋やグラタンも登場するのも、常連を飽きさせない工夫だろう。管理栄養士によりカロリーや栄養バランスが考え抜かれた食事について、自らも難病を患った経験のある代表取締役社長の高根三枝さんは「確実に健康になれますよ」と自信をのぞかせてくれた。
"コテコテ"は大阪のほんの一部。
そんなふうに思わせてくれた、
街の懐深さと文化の薫り。
変わりゆくスピードの底流に、
商都のレガシーが流れ続ける。
そんな未来が透けて見えました。