

今回のあましんさん
橋本 将和さん(塚口支店 渉外係 2013年入庫)
ぶらり塚口紀行
いつも笑顔にあふれる街が、そこにある。
塚口商店街は「笑店街」。
立派なアーケードはないけれど、有名チェーン店もないけれど、
笑える今日がここにある。
個性豊かな街の顔を訪ねて、阪急塚口駅に降り立ちました。
阪急塚口駅の北改札口を出てすぐ、
塚口商店街には、
30店ほどの店が並びます。
「笑店街」を名乗るだけあり、
ここはいつも笑顔が集まる場所。
人の魅力が詰まった街を、
ゆっくりじっくり歩きます。


01魚里本家

- 尼崎市塚口本町1-2-30
- 06-6421-5675
- 8:00~11:00(一般小売)
- 年中無休
100年超の歴史を重ねる鮮魚卸店。抜群の目利きで、多くの飲食店から厚い信頼を置かれるだけでなく、一般向けの小売も手がける塚口の「漁港」だ。

明治35年創業の相談できる魚屋さん
魚のプロと会話を重ねて、旬の海鮮を品定め。そんな昔ながらの魚屋さん風情を残すのが、魚里本家だ。毎朝の市場通いで仕入れる魚は、どれを取っても新鮮なものばかり。さばき方や調理法についても詳しいアドバイスがもらえるので、日々の食卓がぐっと豊かになる。老舗のセレクトが光る、お刺身盛り合わせもおすすめだ(要予約)。
ちなみに社長の里村文崇さんは、大手企業の営業マンという経歴の持ち主。商店街の副理事長としての事務処理能力は、そのころに培われたのかも。


02たこ焼き みつよ

- 尼崎市塚口本町1-1-6
- 11:00~13:30
- 18:00~22:00
- 不定休
たこ焼きは4個100円から。店構えが昭和なら、値段も昭和だ。商店街の入口に位置する店は、年代問わず人が集まるサロンのような場所でもある。
老若男女に愛される商店街の「サロン」
年中半袖がトレードマークのみつよさんは、商店街の看板娘的存在。長年にわたり焼き続けるたこ焼きは、カリカリとトロトロが同居する味わいで、近隣の高校生が学校帰りにこぞってハフハフする。青春の一コマが似合う店先には、近所のおっちゃんの姿も目立つが、こちらはビールセット500円也の存在ゆえか。
コロナ禍が明け、提供が再開される日が待ち遠しい。なお、この店の隠れた名物はルウ単品の購入も可能な牛すじカレー。フランスパンをディップして楽しむツウもいるそうだ。



03アリクイ食堂


- 尼崎市塚口本町1-8-2
- 06-6423-5900
- 11:30~14:00
- 18:00~21:00
- 日曜・祝日休
小学校の給食をイメージしたという豊富なメニューに思わず目移り。ポップで明るい雰囲気と店主の人柄につられて、元気をもらえる食堂だ。

トークもバーグも一級品の名物店
店の主はこの街のムードメーカー、よぴさん。突然の訪問にも「5段階中2のメイクなんやけど!」と、120点のリアクションで迎えてくれた。鶏の唐揚げ、カツとじなど店内には魅惑的なフレーズが目白押しだが、一番人気はアリクイハンバーグ定食。「毎日こねくり回してるんで」と、またも軽妙なトークが飛んできた。自然と会話が弾む中、素朴な疑問が。
アリクイ、命名の謎について聞いてみた。「話は長くなるけど…」と言いながらも、楽しそうに答えてくれる姿が印象に残った。



04松葉寿司


- 尼崎市塚口町1-13-10
- 06-6422-1234
- 11:00~15:00
- 17:00~22:00(平日)
- 17:00~21:30(土・日・祝)
- 火曜休
80年以上続く店だけに、ネタやシャリに抜かりがないのは当たり前。若き店主兄弟は、広告塔代わりのマイクロカーで塚口の街を駆け抜ける。

歴史の重みと
フットワークの軽さが共存
昨年12月、商店街に朗報が舞い込んだ。店主らが共同開発した新名物「塚口凍結食品」が、あましん グリーンプレミアムの表彰を受けたのだ。各店自慢の味わいの冷凍化計画を支えたのがここ、松葉寿司。先代の想いを受け、5年ほど前に冷凍寿司(!)を商品化した老舗は、その知見を惜しみなく提供した。ちなみに松葉寿司があるのは、阪急伊丹線の西側。
本来なら塚口商店街のエリア外だが、「何かおもしろそう」とのことで「越境入学」した。この街には、そんな引力があるようだ。



05洋食・炭焼き
ステーキ 六段


- 尼崎市塚口町1-13-4
- ハッピーコート2F
- 06-6421-5655
- 11:00~22:00
- 水曜休
元町で親しまれたステーキ店が、創業半世紀を目前に控えた2020年に塚口へ。店頭で迎えてくれる人形ともども、確かな存在感を放っている。
神戸からやってきた
オールドルーキー
備長炭で焼き上げるステーキに洋食、しゃぶしゃぶと、多彩に楽しませてくれるのは、2代目シェフの箱崎一治さん。ホテル仕込みの技術に裏打ちされたうまさを求め、元町時代からのリピーターが顔を出すことも少なくない。驚くべきは、ランチのコストパフォーマンス。1000円ぽっきりの気軽さでありながら、国産牛しか使わないこだわりようなのだ。
魚里本家の里村さんによれば、冬場はぼたん鍋も登場するらしい。この手数の豊富さ、もはやリピートしない理由がないのでは。



06路地裏スタンド
スタンちゅ


- 尼崎市塚口本町1-8-6
- 050-8881-0004
- 15:00~22:00(土・日・月)
- 17:00~22:00(火~金)
- 不定休
塚口商店街にも、若い店主が目立つようになった。2020年オープンのスタンちゅも、そんな流れを形成する立ち飲み屋。サクッと沖縄気分を味わえる。
塚口ニューウェーブ
沖縄方面担当
シーサーがにらみを利かせるのれんをくぐれば、L字カウンターに有名どころの泡盛がずらり。スパム缶がまた違った彩りを添え、束の間の旅行気分を盛り上げる。ここの看板商品は、ハーブを食べて育ったブランド豚・琉香豚の串だそう。臭みが少ないぶん、脂の甘みが引き立つと好評だ。日替わりメニューも心憎いものが多く、つい長居してしまいそうになる。
適度な酔いに留めて店を出ると、こちらも街のトレンドだという瀟洒なマンションが目の前に。そう、ここは確かに塚口なのだ。


店から店へ訪ね歩くごとに、
人と人とのつながりが見えてくる。
改めて塚口商店街と向き合うと、
そんな感慨を抱いていました。
すぐそこに広がる商店街は、
通いたくなる理由がある街。
次は「ひるのみ」あたりかな。
