HOME次世代へつなぐチャレンジ東多田里山の会
HOME次世代へつなぐチャレンジ東多田里山の会

次世代へつなぐチャレンジ街おこしの現在地を追う

東多田里山の会 会長の伊藤さんと逸見さん

東多田里山の会

会長の伊藤さん

逸見さん

長く放置されてきた里山を、地域に親しまれる存在に生まれ変わらせる

能勢電鉄多田駅を東に徒歩15分ほど。標高264メートルの舎羅林山(しゃらりんさん)は、つい5年ほど前まで人が分け入ることも困難な放置里山だった。巨大な倒木が道をふさぎ、不法投棄も目立つ状況。これを放っておけなかったのが、兵庫県主催の北摂里山大学で学んだOBたちだ。2019年、舎羅林山のふもと約5.5ヘクタールを所有者の川西市から借り受け、立ち枯れた木の伐採や鹿対策用の柵の設置といった整備に乗り出した彼らは、東多田里山の会を名乗った。会を動かした原動力は、地元からの「地域に公園がない」「小学校の自然学習の場がない」といった切実な声。2年の歳月をかけて荒廃した山の安全を確保し、新たに「しゃらりんの森」として生まれ変わらせることに成功した。

生物多様性と歴史に恵まれた森に、“使い続けられる”という付加価値を

自然学習、ハイキング、コンサートの開催と、さまざまに活用されるようになったしゃらりんの森。地道に整備を続けた結果、思わぬ副産物にも恵まれた。コナラ、ヒノキ、ヤマザクラなど豊かな植生を保護する活動は、2023年に県から「ひょうご生物多様性保全プロジェクト」に認定。一方では五輪塔の一部と思われる遺物が出土し、古文書の記述からは奈良時代に神事で用いるナラガシワの葉を都に供給していたことも判明、古くから人々に利用されてきた山であることが示された。会が目指すのは、この希少な環境を「使い続けて」もらうことだ。そのうえで「森林公園の保全活動に取り組む人たちと横のつながりを深めたい」と、創設メンバーの逸見敬二さん。価値ある山を次代につなぐ活動は続く。

地域に開かれた森に向けて

多田東小学校の敷地に接し、街との連続性がある舎羅林山は気軽に自然と親しめる「まち山」です。伝承にのっとり、毎年旧暦の端午節句は、子どもを対象にナラガシワの葉を使ったちまきづくり教室を行ったり、里山散策と間伐を兼ねた催しを開いたり。会は自治会やコミュニティ協議会やNPOしゃらりん多田東とも手を携え、多種多様な利活用を進めています。「自然学習で学んだ小学生が、週末に両親を連れてきたときは感激した」とは、会長の伊藤敬二さん。しゃらりんの森は、着実に地域の憩いの場として根づきつつあります。

若い力が森の未来をつむぐ

毎週月曜日と土曜日に、整備作業に汗を流す東多田里山の会。豊かな生物多様性の維持という目標を共有するかたわら、健康増進や生きがいを求めて川西市の内外を問わずメンバーが集まっています。しゃらりんの森は、ただ訪ねるだけでなく実際に手を動かすことで、さらなる気づきや心身の充実をもたらしてくれるのです。地元からたくさんの感謝の声が寄せられる反面、課題となっているのはメンバーの高齢化。「まずは週末だけの参加からでも」と、若い担い手を求めています。

東多田里山の会

川西市東多田字松が芝

MAIL:kjhemmi@hera.eonet.ne.jp

URL:https://shararin-forest.blogspot.com/?m=1