街の社長
夢を語る
HEART INTERVIEW

38
人に優しい会社が描く
環境にも優しい企業像
株式会社栄水化学
代表取締役 長村 和美 氏
あましん グリーンプレミアム〈第15回 環境活動部門賞〉
主婦の知恵も活かしつつ柔軟な組織運営を実現
人に優しい会社でありたいと願えばこそ、環境にも優しくできる―70年近くの長きにわたり、そんな好循環を生み出し続けているのが、清掃業を営む栄水化学だ。
尼崎信用金庫の店舗の大半、尼崎商工会議所、大阪国際がんセンターなどで日常的な清掃業務を行う同社は当初、ワックスの製造・販売から事業をスタート。清掃業でありながらいまも「化学」の名を冠する理由は、そんなルーツに見出せる。
自らもハウスクリーニング事業の部門長として現場経験を重ね、創業家以外からは初めて経営を担うことになった長村和美社長が掲げるのは「心と体がハッピーになれる環境づくり」。空間をきれいにする会社が環境を汚してはならないと、2006年ごろから先代社長の右腕として環境配慮型の洗剤への切り替えに代表される、さまざまな施策の旗を振ってきた。また、強力な洗剤を用いることなどによる従業員の健康リスクも、一連の取り組みを後押しすることになった。栄水化学の強みは全員参加型の企業運営。それぞれの現場と本社は離れていても、コミュニケーションは活発だ。「洗剤の希釈倍率を正確に測るには、市販のヨーグルトドリンクのボトルがちょうどいい」といった主婦ならではの知恵も柔軟に取り入れる、ボトムアップ式の会社づくりがなされている。
環境問題にとどまらない“優しい企業”へ向けて
従業員の大半を女性が占める栄水化学は、早くからワークシェアリングや介護休暇といった現代では当たり前になった働き方を導入してきた。また、シニア層や障がいを抱える人も多く雇用し、多様な人々が環境問題に寄与する門戸を開いてきた。特性を異にする人たちが活躍するうえで興味深いのが、従業員一人ひとりの得意分野を明確化する「カルテ」の存在だ。歯科衛生士出身の長村社長らしいアイデアは、適材適所の人員配置を可能に。必要とされていることがはっきりとわかるからこそ、現場のモチベーションは高く離職率も低い。さらに本業の清掃業務とは別に10年ほど前からは、学生服のリユースも事業化。その背景にも、貧困のために学生服が買えない地域の家庭からのニーズがあるという。顧客にも、従業員にも、地域にも求められる存在に。栄水化学はその軸が決してぶれることなく、人と環境に優しい企業であり続ける。
企業情報

株式会社栄水化学
1959年(昭和34)創業のビルメンテナンス事業者。オフィスビル、医療施設などに対して質の高い清掃サービスを提供することで、長らく信用を獲得。ロボット技術やAIが進展する時代だからこそ、人の心がこもった事業を志向する。
尼崎市築地2-6-25
URL https://www.eisui.co.jp

