街の社長
夢を語る
HEART INTERVIEW

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環境に優しい
ガラスの
ポテンシャルを再定義
株式会社武内製作所
代表取締役社長 武内 隆哲 氏
あましん グリーンプレミアム〈第15回環境事業部門賞〉
“マルチプレーヤー”だからこそできた曲面加工
電気自動車が一般に流通するようになり、車載ディスプレイはそれまでとは比べものにならないほど大型化し、速度や電池残量にとどまらない多種多様な情報を伝えるようになった。そして、大型化に伴い意匠性という新たな価値が追求されるようになり、おのずと樹脂より質感に優れる曲面ガラスが必要とされた。モビリティの急速なトレンド変化に鮮やかに応じてみせたのが、創業から70年以上の歴史を重ねる武内製作所だ。

ガラス瓶の成形機の製造を祖業とする同社は従来、瓶なら瓶、食器なら食器と縦割りが当たり前だったガラス成形機メーカーのなかにあって珍しく、領域横断的な開発に邁進。光学レンズをはじめ、多方面から蓄積されたノウハウを総結集する形で、高い要求に応えた。社長就任以前、エンジニアとして開発を主導したのが武内隆哲社長。2010年代半ばから5〜6年ほどかけて、サイクルタイムの短縮と形状精度の両立を目指して加熱成形の最適条件を探った。数十本もの近赤外線ヒータを使用することで短時間での昇温を可能にし、複雑な形状に対応しうる制御性を持たせるまでには、幾度とないテストや治具のチューニングが繰り返された。成形機を作って終わりではなく、生産プロセスまで描き出す―そこに、武内社長の開発者魂が見出せる。
会社の手数を増やすことで100年企業を目指す
もっとも、武内社長の言葉を借りれば、ガラス業界は「長らく煮え湯を飲まされてきた業界」だ。ガラス瓶はペットボトルに置き換わり、電気自動車が出現する前は車載ディスプレイも樹脂が主流になっていた。潮目に変化が生じるまでに、多くのガラス成形機メーカーが淘汰されていった。大型で精緻な曲面ガラスを実現する成形機を生み出せる会社は、もはや武内製作所しか残されていなかったのだ。リサイクル性が高く、土に還るガラスへのマテリアルシフトは、環境負荷の低減という副産物ももたらした。武内社長は「社会的意義の高いものづくりは、従業員の意欲も向上させています」と、控えめに胸を張る。そんな経営者が志すのは、100年企業に向けて手数を増やすこと。すでに表面処理業界の装置製作分野に進出するなど、改革は進む。広い視野で事業を続けてきた会社は四半世紀後、どのような光景を見つめているだろうか。
企業情報

株式会社武内製作所
1952年(昭和27)創業のガラス成形機メーカー。ガラス瓶の成形機の生産に端を発し、食器や光学レンズといった領域にも進出。業界において独自の存在感を示すに至った。国内の大手ガラスメーカーとの取引も多く、その信頼は厚い。
尼崎市杭瀬本町1-6-14
URL https://takeuchi-m.co.jp

