HOME街の社長夢を語る歯車にとらわれない、時代に噛み合う経営を
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HEART INTERVIEW
株式会社フタバギヤーテック 代表取締役社長 西澤 峰生 氏

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歯車に
とらわれない、
時代に噛み合う経営を

株式会社フタバギヤーテック

代表取締役社長 西澤 峰生 氏

あましん サクセスネットクラブ 幹事

体験的に知るに至った 手を動かすことの喜び

直径5センチ、重さ300グラムのものから、直径2メートル、重さなんと5トンのものまで。フタバギヤーテックは大小さまざまな歯車を生産、大量生産とは一線を画した少量多品種のものづくりを通して、業界で存在感を放っている。同社が向こうにするのは製鉄、特殊建設機械、ディーゼルエンジンといった、いわば重厚長大産業。国内でも10台稼働しているかどうかというスイス製の精巧な研削盤を導入し、確かな剛性と高圧力をしなやかに受け流す靭性の両方を兼ね備えた製品で、顧客の信頼を勝ち得てきた。
その会社を率いるのは、2代目の西澤峰生社長。3人兄弟の末っ子で、大学では電子制御工学というまったくの異分野を学んだとあって、家業を継ぐ気はさらさらなかったそうだ。だが、兄がサラリーマン生活を選択したことで運命は変わる。大学を卒業後、将来的な起業を見越して「しばらく手伝おう」との感覚で父が興した会社の門を叩いた西澤社長は、思いがけずものづくりの奥深さに目覚めたのだ。「メーカーのもとを訪ねて材料の特性を学んだり、自己流で機械のメンテナンスをしたりする過程が楽しくて」。ふと気づけば、現場に立つようになって20年が経っていた。2014年、西澤社長は父から経営のバトンを引き継いだ。

3本の柱を立てることで 経営基盤をより強靭に

強靭で精密な歯車を世に送り出してきたフタバギヤーテックは、西澤社長の代になって組織の強化にも着手した。その好例が、歯車にとどまらない金属部品製造と、旋盤やマシニングセンタなどの工作機械のメンテナンスという新事業に乗り出し、祖業に依存する体質を改めたことだ。なかでも前者は現在、売上全体の約4割を占める。歯車生産に関しても「大型でニーズは限られるが、確実に必要なもの」にしぼり込み、合理的な設備投資を講じて景気に左右されない組織づくりを推し進めた。
「材料調達から納品に至るまでのネットワークが全国に広がっている。こうした経営ができるのも、長年付き合いのあるパートナー企業のおかげです」。いまでも自ら軽トラックのハンドルを握り、顧客回りをする西澤社長の口調はあくまで謙虚だ。時代にギアを合わせた柔軟なビジネスは、今後も社会や顧客の求めに応じる形で発展していく。

企業情報

株式会社フタバギヤーテック

株式会社フタバギヤーテック

1979年(昭和54)創業。製鉄関連品を中心とした各種歯車を生産。少量多品種のものづくりを得意とし、これまでには外径3.5メートル、重さ25トンの超大型品を製造したことも。

尼崎市小中島2-5-3
URL https://www.futaba-gt.com

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