街の社長
夢を語る
HEART INTERVIEW

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先を見据えた
経営を貫き、
先端分野へと貢献
アイテック工業株式会社
代表取締役 井上 拓哉 氏
あましん サクセスネットクラブ 幹事
現場経験からつかんだ 一歩先を見る経営勘
わずか4人所帯から始まった職人集団が、10数億円規模のプラント工事を任されるまでに成長したのは、先々を見据えたビジネス展開によるものだ。中小の町工場が軒を連ねる尼崎の臨海部に拠点を置くアイテック工業は、発電所から焼却炉、石油精製設備まで、日本各地でありとあらゆるプラント工事を手がける。弱冠27歳にして経営者の道に入った井上拓哉社長は「思い返せば、中学校時代から独立志向がありました」と語る、生粋のリーダー肌の持ち主である。
アイテック工業の母体は、井上社長の父が営んでいた機械設備の据付業。ステンレス加工会社を経て家業に転じた青年は、約7年の歳月を現場で過ごすうちに変革の必要性を実感するようになった。
「単に技術力のみに頼っていては経営は先細りすると感じていました。現場仕事には必ず体力的な限界が訪れる。さらに人手不足の問題も深刻になりつつありました。そこで体質改善を目的に法人化へと舵を切ったのです。」
装いも新たにアイテック工業を名乗るようになって以降は、それまで以上に協力会社との関係性を強化。井上社長が30歳の節目を迎えるころには、基礎工事、機械据付、配管、電気工事、試運転までを一括受注し、つつがなくマネジメントする体制が整おうとしていた。
守勢に入ることなく 先端分野に活躍の場を
2017年、アイテック工業は配管ラインの破損を防止する伸縮継手のメーカーを買収。プラントの構築に欠かせない部材を内製化し、大量生産には見合わないオーダーメイド品を製造するようになったことで、バイオマス発電などに代表される成長分野からの引き合いが目立つようになった。一方では水素製造プラントのように、技術的な成熟が急がれる領域にも活躍の場を広げる。短納期・小ロットに対応し、図面からは見通せないトライ&エラーを乗り越えて、時代の要請に応えてみせる―井上社長からしても、我が意を得たりといったところだろう。
とはいえ、現状に満足することはない。「ビジネスは守りに入ると守り切れないもの。今後も攻めの姿勢だけは忘れずにいたいですね。」
志を一にする従業員、50にもおよぶ協力会社、そして顧客との間に築いた信頼はそのままに、アイテック工業は果敢に全身を続ける。
企業情報

アイテック工業株式会社
2010年(平成22)創業。プラント配管工事を主に、豊中工場では伸縮継手の生産も行い、取引先メーカー各社から高い評価を得る。自社物件に放課後等デイサービス事業所を受け入れるなど、地域貢献にも積極的。
尼崎市道意町6-35
URL https://iteckogyo-recruit.com