HOME街の社長夢を語る袋が秘める“意味合い”をさらに深化させる
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HEART INTERVIEW
株式会社ドゥパック阪和 執行役員 堂野 起佐 氏

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袋が秘める
“意味合い”を
さらに深化させる

株式会社ドゥパック阪和

執行役員 堂野 起佐 氏

あましん サクセスネットクラブ 幹事

付加価値を磨いてなお飽き足らぬ開拓精神

一度は生産ライン向けの検査機器メーカーに就職した。それでも家業に戻ったのは、会社が社会のトレンドに取り残されないようにとの強い意思があったからだ。米袋をはじめ食品向けラミネート袋の製造を核に事業を行うドゥパック阪和で、執行役員を務めるのは堂野起佐氏。祖父が創業し、伯父と父が発展させた会社に籍を置くようになり、袋の持つ「意味合い」をひたすらに追求する日々を送る。
同社が注力するのは付加価値型の商品。消費者に安心感を届けるとともに購買意欲を高める窓開け加工、高級感と機能性を両立させるエンボス加工といった技術を磨き、業界において存在感を発揮してきた。会社のこれまでの歩みは「ただ包むだけでは競合との間に差をつけられません」という堂野氏の言葉にも符合する。事実、袋に開けた穴をラミネートで窓に加工したルックラミパックは、袋本体にシワがよったり、透明度が確保できなかったりといった弊害を克服した、他社ではなかなかまねのできない製品だ。一方、エンボスラミネート袋・クリアドットは、内面をエンボス加工した包装資材。内容物が袋に触れる面積を減らしたことで、くっつきにくく簡単に取り出せる特性を持つ。ただ、こうした商材をもってしても満足しないのが堂野氏の考えだ。

思いやりの心を大切に袋の持つ可能性を追求

「袋をどう使うか、袋でいかに社会課題を解決するかが今後のテーマです」。堂野氏の語りは力強い。同社では 15年ほど前から紙パッケージの生産も開始したが、これが偶然にも近年になって脱プラの流れと合致した。これを追い風と見るのは容易だが、製紙産業全体の縮小傾向についても冷静な視線を注ぐ。米袋という根幹事業を守るためにも、常に経営環境の変化にはアンテナを張っているわけだ。その先に新たな需要を見出し、製品として具体化していくことで自社の持つ可能性を広げることこそ、自らに課せられた役割だと堂野氏は認識している。
父で代表取締役の眞宏氏が大切にするのは得意先、消費者、そして従業員への思いやりだ。日進月歩というパッケージ業界を生き抜くことは、社会への思いやりがあってこそ可能になる―堂野氏は「思いやり」という言葉の意味合いを、誰に言われるでもなく心得ていることだろう。

企業情報

株式会社ドゥパック阪和

株式会社ドゥパック阪和

1991年(平成3)創業。ラミネート袋の製造・販売を手がけ、主に米やお菓子などの食品向けに高機能製品を供給する。子会社の株式会社シェルパックではデザイン性に優れた衣類圧縮袋、サニタリーバッグを製造。

大阪市平野区加美北1-22-6
URL https://www.do-pack.co.jp/

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