HOME街の社長夢を語る“絶対納期”を貫いて、紙文化に持続可能性を
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HEART INTERVIEW
内外紙工株式会社 専務取締役 若林 孝男 氏

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“絶対納期”を
貫いて、
紙文化に持続可能性を

内外紙工株式会社

専務取締役 若林 孝男 氏

あましん サクセスネットクラブ 幹事

沈着に自社を見つめて 製紙大手の信頼を築く

業界を問わずペーパーレス化が叫ばれる現代にあって、手堅い経営戦略で生き残りを図るのは門真市に本社を置く内外紙工だ。製紙大手の協力企業として、親会社であるサンロールとともに原紙の裁断に代表される紙加工全般を担う同社。コピー用紙、税金の納付書など、私たちの生活に身近な紙製品を供給してきたその歴史は、顧客である製紙メーカーのニーズと真剣に向き合ってきた歴史といえる。これまでの蓄積を次代に継承すべく奮闘する若林孝男専務は「絶対納期こそが変わらぬモットーです」と強調する。

内外紙工の強みは少量多品種で正確なものづくり。コピー用紙を例に取ればA6からB3ノビまで対応できる設備を持ち、生産能力は月換算で約2000トンにもおよぶ。採算面から近年、原紙生産に資本を集中投下させるようになった製紙メーカーからすれば、まさにかゆいところに手が届く存在だろう。一方で絶対納期という使命を果たすためには、主張すべきは主張する。「『できます』と言うのは簡単ですが、現場に過度な負担をかける要求を飲めば品質が担保できない。最終的に迷惑をかけることはしたくないですから」。内外紙工の競争力の源泉は、身の丈に合った仕事を確実に仕上げるがゆえの信頼感にありそうだ。

紙が持つ可能性を信じて 将来へ受け渡す役割を

往年の紀州製紙の関連会社として誕生し、若林専務の父である敬造氏が興したサンロールが事業継承した経緯を持つ内外紙工。業界再編の模様をその目で見てきた若林専務が憂うのは、やはり製紙ビジネスの置かれた現状だ。「我々の仕事はとかく時代に逆行していると見られがちですが、あらゆる情報をデジタルに置き換えることはできません。逆風に変わりはありませんが、省人化設備の導入、多能工の育成、さらには労働環境の改善などを通して会社を守り抜きたいと考えています」。

コロナ禍を経てさらに加速した感のあるペーパーレス化の流れ。とはいえ、ビジネスや人生の重要な局面に紙が介在する事実は揺るがない。高校卒業と同時に業界に飛び込んで30年あまり、いまでは大学生の息子も家業を手伝うようになった。「仕事は生きがい」と語ってはばからない若林専務は、あくまで前向きに自社の持続可能な将来像を描いていく。

企業情報

内外紙工株式会社

内外紙工株式会社

1951年(昭和26)創業。2007年にサンロール株式会社によるM&Aを受け、サンロールグループを形成。OA用紙の加工を得意としており、ボール紙をはじめとする厚紙に長じるサンロールと相乗効果を発揮する。

大阪府門真市四宮6-1-25
URL http://www.sunroll.co.jp/naigai.html

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