HOME街の社長夢を語る環境配慮の先に見えた、潜在的な惣菜ニーズ
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HEART INTERVIEW
街の社長夢を語る_有限会社ウチノ

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環境配慮の
先に見えた、
潜在的な惣菜ニーズ

有限会社ウチノ

代表取締役 内野 年記 氏

あましん グリーンプレミアム〈第12回 環境事業部門賞〉

食品と労働力のロスが画期的な商品開発の出発点に

大量の食品ロスに悩まされていた街の惣菜屋さんが活路を見出したのは、食品メーカーへの転身だ。西宮で半世紀近く惣菜を作り続けるウチノは、近隣の百貨店やショッピングセンターに店舗展開してきたが、多い日で45リットルのゴミ袋にして5、6袋もの廃棄を出していた。「食材が無駄になるのはもちろん、従業員の労働力も捨てているようなものでした。そこをなんとかしたかった」と語るのは、製薬会社の営業マンを経て家業に入った内野年記社長。創業者である父の代には「作ったら作るだけ儲かる商売」だったものの、時代の変化とともに競合が増えたことで、長年のビジネスモデルが通用しなくなっていることを肌で感じていた。

経営を引き継いだ内野社長が手をつけたのが、より日持ちのする商品の開発だ。当初は冷蔵惣菜に着目するも、殺菌処理を施してもどうしても菌が残ることが判明。その解決策が食品添加物の使用だが、無添加のものづくりという創業以来のこだわりは譲れない。考え抜いた末に、レトルトカレーのように常温保存の利く惣菜に行き着いた。常温商材であれば高温での殺菌も可能で、保存料も必要ない。1年半におよぶ開発期間を経た2016年、常温保存真空パック惣菜・uchipac(ウチパク)は世に出ることになった。

常温商材ゆえの強みを活かし、惣菜文化を世界へ

uchipacの特徴は、無添加でいて1年7ヵ月もの長期保存が可能なこと、そして何よりおいしいことだ。独自製法で食感や風味を損ねる高温殺菌の弱点を克服。内野社長も「店頭品と比べても再現度は高い」と胸を張る。肉じゃが、牛すじこん煮など、30種もの商品群は常温商材では異例だが、それも惣菜店をルーツにするからこそ。通信販売を中心に販路開拓し、買い物に出かけづらい高齢者や海外駐在員といった「惣菜弱者」、その家族を取り込んだ結果、現在では売上の9割をuchipacが占めるまでになった。

さらにB級品の児童福祉施設への寄付をはじめとした取り組みにより、食品ロスはほぼゼロに。工場での計画生産が可能になり、働く環境も劇的に改善した。「今後は日本の惣菜文化を世界に届けたい」と内野社長。惣菜店のショーケースの前に立ったあのワクワク感を、パックに詰めて伝えていく。

企業情報

有限会社ウチノ

有限会社ウチノ

1975年(昭和50)創業。国産食材と無添加に徹底的にこだわった惣菜シリーズ・uchipacの製造、祖業である惣菜店の運営を手がける。障がい者雇用や仕掛品の店頭商品への転用など、SDGsを念頭に置いた取り組みも積極的に進めている。

兵庫県西宮市浜町13-2
URL https://uchinoya.com/

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